なんとなく法律の勉強がしたかったのと、関東方面の大学へ行ければという考えから、茨城大学に進学しました。１年次の授業で取り組んだ大手企業のビジネスの分析をきっかけに経済に興味をもち、メジャー選択では法学ではなくて経済学?経営学を選びました。こうした鞍替えができるのは、幅広い分野を学べる茨大の人文社会科学部で良かったと思う点ですね。

経済政策論という授業で、世界にはなぜ貧しい国と豊かな国があるのかというテーマについて多様な視点から仮説を立て、構造的に分析するアプローチを学びました。論理的な考え方が自分には合っていると感じ、その授業を担当していた後藤玲子教授のゼミに所属。ゼミでは「子育て世帯の経済負担を考える」というテーマで文献調査と政策提案を行い、水戸市の職員や市民の方を交えた議論を行いました。直接利益を得られない市民からも政策への支持を得るためにはどうすれば良いかという視点も議論に取り入れ、経験や勘ではなく科学的な根拠に基づいた政策づくりのポイントを学ぶことができました。

3年次に茨城大学吹奏楽団の理事長を務めました。コロナ禍前の演奏会の経験がない100人以上のメンバーたちと試行錯誤をしながら、無事に定期演奏会を開催できたときはうれしかったです。ここでも課題を構造的に分析し、メンバーや支援者の方々に伝えていくということが役に立ちました。

与えられた環境の中で「何」をやるかということの方が、「どこ」でやるかということより大切なのだと強く感じています。

小学生の頃の家庭科の授業で初めて鰹節からだしをとって味噌汁を作ったんです。みんなで一緒に料理したということもあり、本当においしくて。それで家庭科が好きになり、先生になってその楽しさを伝えたいという思いから教育学部に入りました。

家庭科は生活に最も直結している教科です。中学校での教育実習では住居の単元の授業を担当しました。アニメに出てくる部屋の間取り図を使ったり、ロールプレイングを取り入れたりして、家族の特徴と住居空間の関係を理解してもらえるよう工夫しました。生徒たちが「楽しかった」と言ってくれてうれしかったです。ただ、子どもの生活に密着しすぎるとプライバシーを侵害する可能性もあるので配慮が必要です。そのバランスが難しいですね。

かつてお世話になった中学校の先生が無料塾の活動も行っていて、私もボランティアに関心を持っていました。そこで大学のiOP を利用して子ども食堂の活動に参加。その後キャンパス内で食堂を開いたときは、クリスマスに合わせたメニューの考案から飾り付けまでかなり頑張って、利用者のみなさんにもとても喜んでいただけました。

また、干し芋製造の際に発生する残渣を有効活用するプロジェクトにも参加しています。企業の方と協力してアイスクリームやかりんとうを商品化しました。これらの商品やレシピをきっかけに食品ロスの問題やSDGsへの理解が広がればと思っています。

大学は自分が動かなければ何もできない場所です。動けばいろんなチャンスが待っています。高校までインドア派だった自分もずいぶん活動的になりました。「迷ったらやってみよう」の精神ですね。

屋外で化石などを採取して分析するような研究にずっと興味がありました。最初のきっかけは恐竜のおもちゃだったと思います。その後、茨大の理学部には地学分野で有名な先生が多くいることを知り、剣道部の活動を引退後は必死に勉強して、茨大に入りました。

大学に入ると、優秀な同級生が多いと感じ、自分ももっと頑張らなきゃと刺激を受けました。それからは授業がなくても1 限目に間に合うように登校して、授業の復習をしたり自分の研究と関係する論文を読んだりする生活を続けています。その場に同級生たちが参加することもあります。みんなが学修に前向きで本当に良い環境です。

岩石や鉱物に触れる授業を通じて、石の組成から様々なことが見えてくるのが面白いと感じ、火山が専門の長谷川健先生の研究室に入りました。3年次の秋、福島県の活火山を調べる先輩に頼んで、現地調査に同行させてもらいました。腰にピックハンマーを提げ、ガスマスクも持参して、噴気が目の前に見えるようなポイントで、人生初の岩石のサンプルを採取しました。夢が叶った感じですし、教科書に載っていない自分だけのデータを手に入れられるというのが本当にうれしかったですね。

茨大の理学部の良いところは、他のコースの授業も受けられるところ。僕も生物や化学の授業を履修し、「このマグマの現象を無機化学の視点で捉えると…」みたいなことが考えられるようになりました。卒業したら大学院に進学し、その後も研究職や技術職として地質学に関わり続けたいですね。

私は工作が好きな子どもで、ぬいぐるみのための4階建ての家を段ボールで作ったのをよく憶えています。建築を学ぶことに決めて、高校の探究活動では住宅の模型を作ったりしました。

大学に入学して、講義で紹介された設計のアルバイトも経験。カッターの刃の向け方や糊のつけ方など、それまでの自分の工作とは比べものにならない精度の高さにカルチャーショックを受けました。また、著名な建築家でもある遠藤克彦先生の授業で「とにかく建築を見るように」と言われてから、暇さえあえればいろんな場所へ出かけて建築を見ています。学科の先輩や友人とパリにも行きました。　この学科では建築と土木の両方を学べて、橋や港のような土木構造物を見学する機会もあります。「今、測量を習っているんです」とバイト先で話したらうらやましがられました。鉄筋コンクリートの梁を造る大変さを授業で体験すると、図面での線の引き方も変わりますね。３年次の設計課題では「通りと建築」というテーマに取り組んだのですが、私は建物ではなくて、水路で水と戯れるための新しい空間を、複数枚の大きな鉄板を使ったシンプルな構造でデザインしました。そのアイデアも土木を学んでいたから出てきたのかもしれません。

学外のコンペにも積極的に参加しています。入選した設計コンペでは他大学の友達もでき、さらにその友達と別のコンペにも挑戦しました。こうして仲間の輪を広げながら、将来は都市開発のような大きい規模のビルの設計など、自分の興味のあることに突き進んでいきたいです。

小さい頃に近所に大好きなパン屋さんがあって、将来はパンや食に関わる仕事をしたいと思っていました。理系の科目はあまり得意ではありませんでしたが、苦手な問題は何度も繰り返して克服しました。

茨大の農学部に入ってからは、興味のある食に関する科目だけでなく、化学や生物の基礎的な科目もあります。難しく感じることもありましたが、学んでいくうちに食の科学につながってきて面白くなってきました。こうした面は高校にはない大学での学びの魅力だと思います。田植えやハムの加工などの実習も農学部ならではの体験ですよね。とても楽しかったです。

私が所属しているコースでは3年次に東南アジアの協定大学で約5か月間留学することが必修になっています。私はインドネシアのボゴール農科大学に行きました。初めての海外滞在でプレゼンテーションにも何度も取り組みました。難しく感じることもありましたが、困っていると現地の学生が優しくサポートしてくれました。今でもSNSでつながっています。

インドネシアの学生たちは、自分の興味のあること、やりたいことに貪欲にチャレンジしている人が多いのが印象的でした。私はそれまで受け身で授業を受けていたところがありましたが、留学を経て、自分が本当にやりたいことは何かを見つめ直すようになりました。興味がある研究テーマは、パンの軟らかさに関わる物性の研究です。卒業後はできれば大学院に進学して研究を続け、将来は食品の研究?開発職に就ければと思っています。

高校二年生の「探究」の授業で、友達とある市町村のＰＲ動画を作成したのをきっかけに、茨城県内の地域の観光や活性化に興味を持つようになりました。その後、親や高校の先生を通じて、「地域未来共創学環」という新しい組織ができると知り、説明会などに参加するようになったんです。

特に興味を持ったのがコーオプ実習です。インターンシップとは別に、大学生だけれど社会人に交じって仕事ができる機会がカリキュラムに位置付いているというのは、素敵だなと思いました。それから私は文系ですが数学も好きだったので、文理横断というのも魅力を感じました。地域課題の解決には幅広い学びが必要だと思います。

学環に入学してまず驚いたのは、ひとつのクラスのような一体感がすぐにできていたことです。自分で団体やプロジェクトを立ち上げて頑張っている人がたくさんいて、刺激を受けています。私も学環生が立ち上げたサークルに参加して、今はフェアトレードのコーヒーを作って販売する活動などをしています。高校まではなんでもネガティブに考えがちな性格だったのが、大学に入ってからは前向きに努力できるようになったと実感しています。

数学の授業はちょっと難しいですが、理系の人から授業後も教えてもらったりして、乗り越えられています。1年生の必修科目のおすすめは「プレコーオプ演習」です。毎回テーマを変えてグループディスカッションをしています。学環の学生たちはみんな個性的で新鮮な意見に触れることができて楽しいです。

3年のコーオプ実習では、自治体で観光に関わる仕事を経験してみたいと思っています。全然知らなかった場所へ足を運んでもらう、そんな素敵な仕事に将来就いてみたいです。